第36回東京国際映画祭<見どころ紹介>アジアの未来編。長編3本目までの新鋭監督が集まるアジア・コンペティション。

2023年10月24日火曜日

映画祭 東京国際映画祭

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第36回東京国際映画祭会場の様子画像
今年(2023年)の第36回東京国際映画祭の様子 撮影:「Lifewithmovies」編集部

 2023年10月23日(月)から11月1日(水)まで、日本国内で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭「第36回東京国際映画祭」が始まります。

この映画祭は、日本映画界にとって、もっとも需要で、注目される映画祭であり、最大の映画祭でもありますので、「Lifewithmovies」編集部も、毎年、取材させていただいていると同時に、もっとも楽しみにしている映画祭です。

今回から、数回に分けて、編集部の注目する作品を、独断と偏見により、紹介していきます。

【東京国際映画祭とは】 第36回を迎える東京国際映画祭(以下 TIFF)は、日本で唯一の国際映画製作者連盟※公認の国際映画祭です。1985年、日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生し、アジア最大級の国際映画祭として、東京(日比谷・銀座・有楽町)を舞台に、世界中から優れた映画が集まり、国内外の映画人、映画ファンが新たな才能とその感動に出会い、交流する場である。※国際映画製作者連盟https://fiapf.org/):世界の映画産業、国際映画祭の諸問題を改善し、検討する国際機関。パリに本部を置き、世界29か国・37の映画製作者団体(2023年10月現在)が加盟している。

アジアの未来部門からご紹介

この部門は、長編3本目までの、アジア(日本、中東を含む)の新鋭監督がしのぎを削る部門。インディペンデント作品も多く、作家性の強い作品や、新しい角度で現代社会を切り取る作品が多い印象。メジャー作品と異なり、この機会を逃すと、日本国内で観ることが難しいケースが多い。

近年紹介された作品では、2021年は、ロアン・フォンイー監督『アメリカン・ガール』(『アメリカから来た少女』のタイトルで2022年公開)やダーフェイ監督『異郷の来客』グラナーズ・ムサウィー監督『ザクロが遠吠えする頃』(あいち国際女性映画祭2022でも上映)などが、2022年は、チャオ・スーシュエ監督『へその緒』(『草原に抱かれて』のタイトルで、現在上映中)やエクタラ・コレクティブによる監督『私たちの場所』などが印象に残っている。

『へその緒』場面写真
チャオ・スーシュエ監督『へその緒』

2023年に集まった原石は、どのような作品なのか

『マリア』

『マリア』場面写真その1
イランのメヘディ・アスガリ・アズガディ監督、初長編作品。ワールドプレミア。ネットに流出した娼婦役を演じた映像が拡散され、疾走した女優の謎を追うミステリー要素を含んだ作品。女性差別が厳しい、ある意味、変化速度が遅いイラン社会と、加速度的に進化するネット社会。
『マリア』場面写真その2

オフィシャル解説から、ネットのフェイクと権力者が正当化する「都合の良い嘘」という内容かと考えると、公開中のジャファル・パナヒ監督『熊は、いない』にも繋がるイメージが湧きますが、はたしてどうか。

『マリア』

監督:メヘディ・アスガリ・アズガディ
キャスト:カミャブ・ゲランマイェー、パンテア・パナヒハ、サベル・アバール
97分/2023年/イラン

『マリア』Maria 東京国際映画祭作品紹介ページ
https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3602ASF04

『相撲ディーディー』

『相撲ディーディー』場面写真その1
(C)Reliance Industries Limited, Mumbai 2023. All Rights Reserved
インドのジャヤント・ローハトギー監督による異色の相撲ムービー。『バーフバリ』『RRR』などの人気から、日本国内でも人気を集めるインド映画ですが、世界一の映画製作本数を誇る国であり、社会派の作品も製作されています。

『相撲ディーディー』場面写真その2
(C)Reliance Industries Limited, Mumbai 2023. All Rights Reserved

2021年に紹介された、リテーシュ・シャルマー監督『もろい絆』、2022年には、アマン・サチデーワ監督『アヘン』エクタラ・コレクティブ『私たちの場所』の2本が、同部門で紹介されています。

ヒンドゥー教による女性差別が残るインドの、女性アスリートの姿。今回の映画祭では、この作品以外にも、女性アスリートを描いた作品が上映されますが、この作品ではどのような角度で描かれるのか、注目です。

『相撲ディーディー』

監督:ジャヤント・ローハトギー
キャスト:シュリヤム・バグナーニー、チャイタニヤ・シャルマー、ニテーシュ・パーンデー
118分/2023年/インド

『相撲ディーディー』Sumo Didi 東京国際映画祭作品紹介ページ
https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3602ASF08

さて、世界の最新映画が紹介され、映画ファンや、映画監督、俳優など映画関係者が集まる第36回東京国際映画祭は、10月23日(月)~11月1日(水)の10日間、開催されます。いままでに参加されたことのない方も、一度、気軽に足を運んでみて欲しいです。

最近では、日本映画、韓国映画など「国」単体で製作される形以外に、複数の国の資本で製作されたり、監督やスタッフが複数の国から集まって製作されることが増えてきました。近い将来、日本映画、と表現することが古い時代、アジア映画でいいじゃないか、という時代が到来するかもしれませんね。

編集部は、毎日、会場にいますので、ぜひ、同じ空気、同じ空間で映画を楽しみましょう。現地の様子は、毎日、X(旧twitter)のアカウントhttps://twitter.com/with_moviesからお届けしますので、参考にしてください。

第36回東京国際映画祭会期:2023年10月23日~11月1日公式サイト:https://2023.tiff-jp.net/

東京国際映画祭2023ポスター画像




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