『悲しみより、もっと悲しい物語』More than Blue 比悲傷更悲傷的故事 【感想・レビュー】

2020年5月23日土曜日

review

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スタッフ

監督:ギャビン・リン Gavin Lin

出演 Cast

リウ・イーハオ Jasper Liu:チャン・チォカイ(別名K)Chang Che-Kai
アイビー・チェン Ivy Yi-Han Chen:ソン・ユェンユェン(別名クリーム)Sung Yuan-Yuan
アニー・チェン Annie Chen:写真家シンディ Cindy
ブライアン・チャン Bryan Shu-Hao Chang:歯科医ヤン・ヨウシェン Yang Yu-Hsien
エマ・ウー Emma Wu:子猫ボニー Bonnie
A-Lin Alin Huang:A-Lin
ヤオ・アイニン Ai-Ning Yao:高校時代のクリーム Young's Sung Yuan-Yuan
シー・チーティエン Chih-Tian Shih:高校時代のK Young's Chang Che-Kai

あらすじ

家族を失った孤独と悲しみを抱え16歳で出会ったKとクリーム。身寄りがなく、長いあいだ一緒に暮らす二人は親友にして唯一の家族。でも、決して恋人ではない。どんなに愛していてもKはクリームの恋人になるわけにはいかない。白血病を患う自分がクリームを幸せにすることはできないと考えていたからだ。自分の余命が僅かだと知ったKは、クリームが再び孤独と悲しみを味わうことがないよう密かに“準備”を始める。それは、自分の代わりに彼女を幸せにできる男性に彼女を託すことだった……。(公式HPより)

感動の波が何度も訪れる構成がいい

白血病を患った主人公と聞くと、韓流ドラマの定番じゃん、と考える方もおられるかと思うが、侮るなかれ、この作品は、そこはあくまでも基本設定のひとつの過ぎない。主人公Kは、白血病であることを、親友であり、家族であるクリームに伝えずに生きている。この秘密が原因となって、二人の心には、誰よりも近くにいるのにすれ違い、そして、切なさが増していくのだが、中盤以降、そのシチュエーションゆえに、私たちへ、彼らの悲しみが、感情が押し寄せてくる構成になっていて、涙が止まらない。

韓国映画と台湾映画の違い

2009年に大ヒットしたクォン・サンウ主演の韓国版『悲しみよりもっと悲しい物語』を、台湾のギャビン・リンがリメイクした本作。予告編を観ただけでもわかるのだけれど、光の使い方、画面の光度が台湾版の方が明るい創りになっている。台湾の街並みのせいなのか、それとも近年、青春映画を多く製作している台湾映画界(編集部の印象です)のせいか、映画が若くなっている。韓国版は、人気俳優:クォン・サンウが主演を務めるということもあり、彼にフォーカスが集まるが、台湾版は主人公の2人のバランスに比重が寄せてあるようにも感じる。いずれにしても、監督や脚本が異なるので、2本とも鑑賞すると、その違いを楽しめる作品。


『悲しみよりもっと悲しい物語』
出演 Cast
クォン・サンウ:チャン・チォカイ(別名K)
イ・ボヨン:ソン・ユェンユェン(別名クリーム)
イ・ボムス:ヤン・ヨウシェン

作品全体として

上質な悲恋の物語であり、韓国版の脚本をうまく台湾映画としてアレンジされた素敵な作品。韓国版の物語を観て、知っていて、なお泣ける、何度も泣けるのは、その作品の持つ力だろう。もし、ありきたりの「不治の病」ものだとスルーしている方は、騙されて、観ることをおすすめします。物語が終わるころ、観る前の先入観は消えているでしょう。そんな作品。おすすめ。

『悲しみより、もっと悲しい物語』公式サイト

『悲しみより、もっと悲しい物語』More than Blue(IMDB)

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