『愛と銃弾』Ammore e malavita【感想・レビュー】

2018年5月6日日曜日

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『愛と銃弾』Ammore e malavita【感想・レビュー】

(C)Madeleine,Manetti bros.Film,Rai Cinema

スタッフ

監督:マネッティ・ブラザーズ Manetti Bros.
(Antonio Manetti, Marco Manetti)

キャスト

クラウディア・ジェリーニ Claudia Gerini:Donna Maria
カルロ・ブチロッソ Carlo Buccirosso:Don Vincenzo - Francesco De Rosa
セレナ・ロッシ Serena Rossi:Fatima
ジャンパオロ・モレッリ Giampaolo Morelli:Ciro

ヴェネチア国際映画祭で最優秀キャスト賞ほか3賞受賞。

あらすじ

二枚目のクールな殺し屋チーロは、仕事場で偶然幼なじみの元恋人で看護師のファティマに再会、よみがえった恋はいっそう激しく燃え上がる。犯罪の目撃者となった彼女を守るため、組織に刃向かい裏社会から逃れることを決意するチーロ。紺碧のナポリ湾に飛び交う銃弾に愛は勝てるのか?(イタリア国際映画祭2018公式HPより)

イタリア映画祭2018舞台挨拶から

監督のマネッティ兄弟は、この作品の着想と曲の選択について「自分達はとても映画が好き。特定のジャンルの作品を作ろうとしてはいない。今作品もジャンルは念頭に置かず、スリラーのつもりで製作し始めたら、コメディにへ向かい、最終的に本作のようになった。ロマンティックなミュージカルで、舞台はナポリにしたいと考えた。また、銃を撃つ時に歌いだすようなシーンを盛り込みたいと考えていた。曲の選択は、自分達が好きなミュージカル映画の曲を持ってきて、オリジナル作詞を乗せる手法を採用してみた。ただ、フラッシュダンスの曲を使ったが、製作の中で一番ロイヤリティがかかってしまった」と笑顔で答えた。影響を受けた作品はとの質問に「自分達はただのファンではない、本当に映画好き。頭ではなく、心が映画が好きだ。中国映画、日本映画の影響は受けていて、特にジョン・ウーをリスペクトしている」さらに、作品中に監督が登場したシーンについて聞かれ「ニューヨークロケに、自分達とカメラの小ユニットで行った時に遊び心で撮影したものを」と撮影秘話を話した。

この映画にジャンルはない

ノワール映画かと思いきや、アクション、ミュージカル、コメディのような作品だった。というか、この監督にジャンルという言葉はいらない気がします。ただただ、面白い映画を撮っているだけだ。

映画が好きすぎて

シネフィルとして有名な監督だけあって、作品中にはリスペクトした作品のオマージュが多く取り込まれている。というか、ミュージカル部分の曲の多くもそうだ。もちろん、鳩が飛ぶシーンもある。自分達が楽しい作品を撮れば、きっと観客も喜んでくれる。そう信じているような画づくりである。

脚本で仕組まれたコメディ

トークショーの中でも、話されているが、キャラクターで笑いを取るのではなく、セリフ回しや演出で笑いと取る形の作品で、脚本にこだわりを持って、撮影されている。ゆえに、出演者のキャラクター型の従来のイタリア映画コメディとは少し趣が異なっている。

作品全体として

監督の映画好きが炸裂した作品。アクションあり、ダンスあり、歌ありで、休む間もないジェットコースターコメディのようなエンターテイメント。難しいことは考えず、ただ、監督が作り上げた波に飲まれれると、きっと、楽しくなれる。そんな作品。

『イタリア国際映画祭』公式サイト
『Ammore e malavita』IMDB

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