『サバービコン 仮面を被った街』【感想・レビュー】

2018年5月7日月曜日

外国語映画

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『サバービコン 仮面を被った街』【感想・レビュー】

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スタッフ

監督・脚本:ジョージ・クルーニー
脚本:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン、ジョージ・クルーニー&グラント・ヘスロヴ

キャスト

マット・デイモン:ガードナー
ジュリアン・ムーア:ローズ/マーガレット
オスカー・アイザック:バド・クーパー

あらすじ

明るい街、サバービコンへようこそ!そこはアメリカン・ドリームの街。しかし、そこに住むロッジ家の生活は、自宅に侵入した強盗により一転する。足の不自由な妻ローズが亡くなり、幼い息子ニッキーが遺される。仕事一筋の一家の主ガードナーと妻の姉マーガレットは、ニッキーを気づかいながらも前向きに日常を取り戻そうとするのだが・・・。時を同じくして、この白人だけのコミュニティに紛れ込んできた黒人一家の存在が、完璧なニュータウンのもうひとつの顔をあらわにする。街の人々と家族の正体にただ一人、気がつくニッキー。事件は、想像を超える結末へと急展開する。果たして、幼いニッキーの運命は?ロッジ家は幸福な暮らしを取り戻せるのか!?(公式HPより)

予告では予想できなかった社会派映画

この作品は、今だから描く意味のある風刺映画。作品全体で、トランプ大統領の勝利が象徴するように、米国で力を盛り返しつつある白人至上主義を描きつつ、ユダヤ人や黒人への差別を皮肉たっぷりに、正面から描いている。これは、商業映画ではあるが、社会へのメッセージ性の強く、エンターテイメント作品として観る作品ではなかった。

自由の国の映画

日本において、大手配給会社が政府や社会への風刺的な作品を製作し、配給する可能性は限りなく低いだろう。そして、そういう映画を評価する観客も、日本では少ないだろう。国民性といえば、簡単ではあるが、昭和期ほどの社会への熱意を失った感のある現代の日本で、実現できない現状は嘆いてもいいかもしれない。こういう作品が製作され、公開される国の懐は広い。

失敗か成功か

本作の風刺的で批判的なメッセージは伝わってくるが、コメディとして面白いか、サスペンスとして面白いか、と問われたら、どちらも否と言わざるをえない出来である。

作品全体として

ジョージ・クルーニーの気合いをみせた作品で、エンターテイメントとしてはかなり厳しい出来かもしれないが、それでも、この作品を観てよかったと思うし、必要な映画だとも思う。この作品をTV放映できる気合が、日本のTVメディアにあるのか、は見もの。

『サバービコン 仮面を被った街』公式サイト
http://suburbicon.jp/

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