Life with movies 『ビジランテ』【感想・レビュー】
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『ビジランテ』【感想・レビュー】

『ビジランテ』

(C)2017「ビジランテ」製作委員会

スタッフ

監督・脚本:入江悠

キャスト

大森南朋:神藤一郎
鈴木浩介:神藤二郎
桐谷健太:神藤三郎
篠田麻里子:神藤美希

あらすじ

幼い頃に失踪した長男・一郎(大森南朋)。市議会議員の次男・二郎(鈴木浩介)。
デリヘル業雇われ店長の三男・三郎(桐谷健太)。別々の道、世界を生きてきた三兄弟が、父親の死をきっかけに、再会し―。深く刻まれた、逃れられない三兄弟の運命は再び交錯し、欲望、野心、プライドがぶつかり合い、事態は凄惨な方向へ向かっていく――。(公式HPより)

土地に縛られるということ

主人公の3兄弟は、自分が生まれた土地から逃れられない男たち。「土地」とは、人と違い、その上では、コミュニティや因習、人間同士の軋轢や幸福が空気となって定着している。劇中で主人公たちは、その見えざる何か、得体のしれない「土地」の上に横たわるものと戦い、または、逃げ、葛藤を繰り返している。

暴力やエロスに注目すべきではない

ノワールとして描かれているが、描かれている「人」にこそ注目すべきで、本作の描く人々は、それぞれの置かれたギリギリの環境で、もがいている。デリヘルで働く女性、中国人労働者。皆、その環境に居たいと思っているわけではなく、脱出したいと考えても、その壁を乗り越えることができない、縛られているのだ。

ファム・ファタールとしての、篠田麻里子

芸能ニュースは、すぐに元AKB篠田の濡れ場と書きたがるが、そこではない。彼女の演じる二郎の妻が、夫を堕としていく様が、「土地」の呪縛からの解放を許さない魔性の女として、本作の空気感を盛り上げている。

作品全体として

勧善懲悪や恋愛など、わかりやすい結果をみせる作品ではなく、作品世界を体感させる作品で、暴力、エロスの、その奥に垣間見えるモノをぬるりと感じられる。監督のイメージが強く刻まれている作品に見え、観客が受け止められるのか、スクリーンを通した別の戦いの映画にみえる。

『ビジランテ』公式サイト
http://vigilante-movie.com/

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