『ザ・コミューン』The Commune【感想・レビュー】

2020年2月10日月曜日

review 映画祭

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2016年 ベルリン国際映画祭 銀熊賞 (女優賞) 
2017年 デンマーク・アカデミー(ロバート)賞 脚色賞ほか

スタッフ

監督:トマス・ヴィンターベア Thomas Vinterberg

出演 Cast

トリーヌ・ディルホム Trine Dyrholm:アンナ Anna
ウルリッヒ・トムセン Ulrich Thomsen:エリック Erik
ファレス・ファレス Fares Fares:アーロン Allon

あらすじ

舞台は70年代のコペンハーゲン。エリックとアンナの夫妻は相続した屋敷で生活共同体を始める。年齢・階級が異なる人々が集まり、理想郷を築いたかに見えたが、エリックの愛人が入居することになり……。コミューンで育った監督の経験を投影し、人間の欲望をドライなタッチで描く。共同体を通して家族のかたちを見つめた人間ドラマ。(トーキョーノーザンライツフェスティバル2020公式HPより)

過去の設定が未来を示す

舞台は、1970年代のコペンハーゲンという「過去」設定ですが、タイトルが示すテーマとしての「コミューン=共同体」は、まさに現代社会で注目されつつある、近く迎えるであろう将来像を投影している。未婚率が上がり、単身者が急激に増えている日本を含む近代都市において、「家族」や「村」といった共同体の形が減りつつある中で、高齢化、人口減少によって、リソースが限られると、生活をシェアしていくというという選択肢の占める割合は多くなるかもしれない。そんな現代社会で、北欧文化のなかにある伝統的に共同生活の形としていた「コミューン」という形が注目されている。また、日本国内においても、令和に入り、「コレクティブハウス」など類似の形態が検討され始めていて、映画が時代性の鏡であることを、まさに示す形になっている。

母と娘、女性の視点

父親であるエリックの愛人が入居することになったのち、その解決に向けた選択として、フレアからアンナに向けた言葉は、70年代ではなく、2019年代の女性の言葉だった。これは、1970年代の時代設定でありながら、現代社会を描いている象徴でもあるのではないか。

作品全体として

近年、世界的な高齢化社会を受けて、60歳頃以降から終活を描いた作品が増えている。ただ、日本の作品と海外の作品の違いとして、海外作品の方が、より前向きに生きていこうとするものや、時代の変化を受けて、それを受けいれ、自身の人生も変化させていこうとするものが多く、ポジティブな鑑賞後感がある。日本でも、今後は増えてくると思われるが、どのように日本の監督・脚本家が描くのか、注目していきたい。

『ザ・コミューン』IMDB
https://www.imdb.com/title/tt3082854/

トーキョーノーザンライツフェスティバル2020 公式サイト
http://tnlf.jp/

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