『女は二度決断する』【感想・レビュー】

2018年4月14日土曜日

外国語映画

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『女は二度決断する』【感想・レビュー】


(C)2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe Production,corazon international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH

スタッフ

監督・脚本:ファティ・アキン

キャスト

ダイアン・クルーガー:カティヤ・シェケルジ
デニス・モシット:ダニーロ
ヌーマン・アチャル:ヌーリ・シェケルジ
ヨハネス・クリシュ:ハーバーベック
ウルリッヒ・トゥクール:ユルゲン・メラー

第75回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞受賞
第70回カンヌ国際映画祭 主演女優賞受賞

あらすじ

ドイツ、ハンブルク。カティヤはトルコ系移民であるヌーリと結婚する。かつて、ヌーリは麻薬の売買をしていたが、足を洗い、カティヤとともに真面目に働き、息子ロッコも生まれ、幸せな家庭を築いていた。ある日、ヌーリの事務所の前で白昼に爆弾が爆発し、ヌーリとロッコが犠牲になる。外国人同士の抗争を疑い警察は捜査を進めるが、在住外国人を狙った人種差別主義のドイツ人によるテロであることが判明する。容疑者は逮捕され裁判が始まるが、被害者であるにも関わらず、人種や前科をあげつらい、なかなか思うような結果の出ない裁判にカティヤの心の傷は深まってゆく。愛する人、愛する子供と生きる、ささやかな幸せ。それが一瞬にして壊されてしまった。絶望の中、生きる気力を失いそうになりながら、カティヤがくだす決断とは-。(公式HPより)

強い女性を描いた作品

『スリー・ビルボード』が米国の賞レースで注目を集めていた2018年、しかし、その前にカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した本作が公開されている。理不尽な犯罪で家族を失った女性を演じるダイアン・クルーガーの演技は素晴らしい。怒り、心を凍らせ、その見つめる瞳の力の強さが、スクリーンを通して、こちらに突き抜けてくる。

理不尽な犯罪への叫び

『スリー・ビルボード』も共通しているのだが、理不尽な犯罪に巻き込まれた時、現代社会を投影しているためか、神や法、社会正義ではいずれも救済されず、共通する悲劇的な結末へ向かうことが多くなっている。世界の縮図なのかもしれないが、この物語のラストが共感される世界は、危機的状況といえる。できれば、異なるラストでヒロインが救われる世界が来てほしい。

タイトルがストーリーとあっていない

本作だけではなく、よくあることなのだが、日本語タイトルがストーリーにあっていない。配給会社のセンスなのだろうが、そのまま英語版タイトルをつけておいた方がマシだろう。作品の足をひっぱっている。

作品全体として

ダイアン・クルーガーの演技を観るだけでも価値がある。ファティ・アキン監督が突きつけてくるリアリティに心を強く持って、受け止めにいこう。ただ、前半は心の痛みが凄まじいので、お気をつけください。

『女は二度決断する』公式サイト
http://www.bitters.co.jp/ketsudan/

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