『Sisters』ストレンジ・シスターズ【感想・レビュー】

2019年11月4日月曜日

review 映画祭 東京国際映画祭

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第32回 東京国際映画祭 CROSSCUT ASIA ファンタスティック! 東南アジア

スタッフ staff

監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ Prachya Pinkaew

出演 Cast

プロイユコン・ロージャナカタンユー Ploiyukhon Rojanakatanyoo:Veena
ナンナパット・ルートナームチューサクン Nannaphas Loetnamchoetsakun
ラッター・ポーガーム Yayaying Rhatha Phongam

あらすじ

実の姉妹のようにして育ったウィーナーとモーラー――母親同士が姉妹である2人は、生まれながらにして数奇な運命を背負わされていた。かつて、モーラーの母・スロイは忌まわしき怪物・ガスーとなってしまった。その血をひくモーラーも、やがて…。彼女の父・シンは娘を守ろうと、ガスー撃退のための呪文や法術、そして格闘技術を何年もかけてウィーナーに仕込んできたのだ。しかし、美しい16歳の少女へと成長したモーラーの周辺に、不穏な影が。スロイを怪物へと変え、ウィーナーの母を亡き者としたガスーの姉妹・ラートリーとドゥワンダーオが、モーラーを狙って動き出したのだ…!(「未体験ゾーンの映画たち2020 」公式HPより)

妖怪映画です

この作品の中心にいる「妖怪 ガス―」。首と内臓!が襲ってくる妖怪ですが、首が襲ってくる妖怪といえば、日本では「ろくろ首」がある。現代では首が繋がって表現されることが多い「ろくろ首」ですが、元々は首だけが襲ってくる妖怪で、体と首の魂が繋がっているように表現されたものが、現代の首が伸びる妖怪として、一般化している。同様に中国では、「飛頭蛮」(ひとうばん)という妖怪が伝わっていたり、アジア諸国では、類似の妖怪伝承が多く残っている。ただ、ガス―は、内臓がついてくる上に、光っている。映画を通して、他の国の民俗学を学ぶことができるホラー映画って素晴らしい。

アクション映画ではなく、ホラー映画として

この作品は『マッハ!』『トム・ヤム・クン!』等のアクション映画で知られるタイのプラッチャヤー・ピンゲーオ監督作品。インタビューでも答えている(ホラー通信「生首から内臓をブラブラ…… “首だけ女”=ガスーを描く『ストレンジ・シスターズ』プラッチャヤー・ピンゲーオ監督インタビュー」)が、元々、ホラー映画も大好きだった監督が、『マッハ!』と共に構想していた作品。それだけに、監督のこだわりが炸裂していて、アクションシーンもありつつも、ホラー作品、妖怪作品として、とても楽しめる作品に仕上がっている。

作品全体として

主人公に加えて、妹役にBNK48のナンナパット・ルートナームチューサクンをキャスティングしているにもかかわらず、映像が全力で妖怪していて、衝撃的。初見で観ると、かなりショッキングな映像です。それだけに、ホラー好き、妖怪好きな方は、必見の作品。日本のホラー映画が、ジャパンホラーと呼ばれる系統の作品からなかなか脱却できない中、アジア産のホラー、また、南米のホラーは突き抜けていて、とても楽しい。おすすめ作品。

『Sisters』東京国際映画祭作品紹介ページ
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CCA06

『Sisters』(IMDB)
https://www.imdb.com/title/tt9851050/

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