『詩季織々』【感想・レビュー】

2018年8月4日土曜日

日本映画

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『詩季織々』【感想・レビュー】


(C)「詩季織々」フィルムパートナーズ

スタッフ

総監督:リ・ハオリン
監督:イシャオシン(陽だまりの朝食)、竹内良貴(小さなファッションショー)、リ・ハオリン(上海恋)

キャスト

(陽だまりの朝食)
伊瀬茉莉也:シャオミン
(小さなファッションショー)
寿美菜子:イリン
白石晴香:ルル
安元洋貴:スティーブ
(上海恋)
大塚剛央:リモ
長谷川育美:シャオユ
中務貴幸:パン

あらすじ

(陽だまりの朝食)北京で働く青年シャオミンは、ただ漠然と繰り返す日々に自信の心が渇いていくのを感じていた。ある雨の朝の通勤途中、シャオミンはふと故郷・湖南省での日々を思い出す--。祖母と過ごした田舎での暮らし、通学路で感じた恋の気配や学校での出来事、……ささやかな事にも真剣に一喜一憂した子供時代の思い出の傍らには、いつも温かい、心のこもったビーフンがあった。しかし都会の北京では、街も人も、そしてビーフンとの距離までも遠く感じてしまう。そんな中、シャオミンの祖母が体調を崩したとの電話が入る。
(小さなファッションショー)広州の姉妹、ファッションモデルのイリンと専門学校生のルル。幼くして両親を亡くした2人は、共に助け合いながらマンションで一緒に暮らしていた。モデルとして成功したイリンだが、その人気が旬を過ぎつつある事を感じていく日々。人間関係も悪化し仕事に悩み、恋人とも別れてしまう。うまくいかないイリンはついルルに八つ当たりしてしまい、2人の中に次第に溝ができていく……
(上海恋)1990年代の上海。石庫門(せきこもん)に住むリオは、幼馴染のシャオユに淡い想いを抱きながら、いつも一緒に過ごしていた。成長し、高校受験で忙しさが増す中でも、カセットテープを交換し合って2人だけの交流を続けていた。しかし、受験での出来事がきっかけでリモは石庫門から遠くへ出ていき、お互いの距離と気持ちは離れていく。そして現代、社会人になったリモは仕事につまづき、状況を変えようと引越しをする。その時、荷物の中に持っているハズの無いあの時のカセットテープを見つけてしまう。
(公式HPより)

アニメーションの次世代の人材を養成するために

『君の名は。』『言の葉の庭』等の新海誠監督の後を継ぐ、若手アニメーション作家育成の日中合同企画。世界一の映画マーケットとなった中国と世界的コンテンツ:アニメーションを生み出した日本のコラボレーションをすることで、より素晴らしい作品が生み出される人材が育成されて欲しい。

新海誠への憧れ

リ・ハオリン監督が新海監督をリスペクトしているところから始まっていることから、特に各作品の背景画や音楽との組み合わせ方は、まさに新海作品の影響そのままといった印象。ただ、各監督やユニットの力量差からか、作画、脚本、セリフなどのレベルのばらつきがみられ、それらを並べて観ると、荒が目立ってしまい残念。さらに、オムニバス形式を特別映像で一体的にみせようという企画意図はわかるが、それだけでは効果が出ていないことも残念。もし、群像劇的な効果を求めるのであれば、それぞれの作品の中に、伏線的に観客が意識すれば「気づくことができる」形で、それぞれのキャラクターを登場されるなど、企画段階からの仕込みが必要ではなかったか。

作品全体として

新人監督作品なので、粗削りで各所に未熟さがみえる作品ではあるが、若手育成という観点では、こういう作品が生み出す土壌が必要だろう。日本市場は、スポンサーや制作体制から難しいので、中国資本と組むことで、今後もこのような企画が続くことに期待したい。

『詩季織々』公式サイト
https://shikioriori.jp/

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