『閃光少女』Our Shining Days【感想・レビュー】

2018年8月25日土曜日

外国語映画

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『閃光少女』Our Shining Days【感想・レビュー】

(C)2017 Edko Films Ltd.

スタッフ

監督:ワン・ラン

キャスト

シュー・ルー Lulu Xu:Chen Jing
パン・ユーチャン Yuchang Peng:Li You
リュー・イョンシー Yongxi Liu:Xiao mai
リー・ヌオ Nuo Li:Ying Zi
ルー・チャオホワ Zhaohua Lu:Beibei
ハン・チョンユィ Zhongyu Han:Tata

あらすじ

高校の伝統音楽部に所属する少女ジンは、西洋音楽部のリーダー的存在であるイケメンのワン先輩の気をひくため、部活仲間のヨウとともに、学校で除け者扱いされているコスプレ集団と協力してバンドを結成する。はじめのうちはやる気のないメンバーたちだったが、バンド活動を通して少しずつ自分たちを見つめ直すと同時に、伝統楽器の素晴らしさを再認識する。ジンとヨウは、容姿ではなく心や強い意志が自分たちを輝かせるということを周囲の人々に証明していく。(映画.COMより)

青春コメディ

中国映画や香港映画では、割とポピュラーなジャンルである音楽を題材にする青春コメディだが、日本ではあまりみかけない。『スウィングガールズ』以来、〇〇ガールズというタイトルをみかける程度か。2018年現在、コミック原作に依存する大手配給会社が製作する形が多いためか、新鮮な印象が残る。

アジア俳優の努力に脱帽

日本で同系統の作品が製作される場合、アイドル俳優がスケジュールの範囲で練習したお粗末な演奏を観させられることが、多く辟易するが、中国、香港の役者が演じる場合、信じられないぐらい練習するため、演奏や殺陣も感嘆する演技が多く、素晴らしい。日本の役者というか、制作陣も言い訳ばかりしないで、見習ってほしい。
本作品の中でも、クライマックスシーンでの演奏シーンが登場するが、そのシーンを観ているだけで、楽しくなってしまう完成度の高さ。劇場で、思わず、手拍子を送りたくなる衝動に駆られてしまう。
なお、本作品には、中島美嘉が楽曲提供している。

アジア映画があまり配給されない日本

この作品は、シネマカリテで毎年開催される「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション」主催:武蔵野興業(株)の中で、上映され、評判の高いものが大阪:シネマート心斎橋で限定公開されたものだ。近年、ようやくカンヌ国際映画祭などの世界3大映画祭や主要な映画祭で評価を得た作品を、キノフィルムズが配給してくれることで、日本での公開本数が増えたが、アジア映画は、まだまだ特定の映画館での限定公開しかされず、日本で観る機会が限られているのが、現状である。多様な作品に出会えるのは、映画ファンにとって期待するところであり、なんらかの方法でせめて主要都市では、アジア圏で評価された映画も観ることができるようにならないだろうか。映画業界では、「Netflix」やが「Amazonプライムビデオ」、「Hulu」などの動画配信サービスからの収入が無視できないにもかかわらず、映画館で配給しない作品を映画でないと批判する傾向にあるが、多くの作品を観たいファンからすると、海外で評価の高い「面白い映画」を観られる機会を増やしてくれないのであれば、動画配信サービスへ流れるのも道理だろう。そういう意味でも、シネコンの運用を見直して、レイトショー限定など、工夫する形でもいいので、多くのファンへ多様性を届けて欲しい。

作品全体として

高校生の葛藤や挫折を音楽を絡めて、ポップにみせる作品で心が弾む秀作。日本で観る機会が限られるジャンルでもあり、ぜひ映画ファンには観て欲しい。作品中に、アニメーションやコスプレが登場するもの、日本文化との親和性があって、日本のファンには入りやすい印象である。オススメ作品

『閃光少女』Our Shining Days IMDB
https://www.imdb.com/title/tt7013194/

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