『blank13』【感想・レビュー】

2018年2月25日日曜日

日本映画

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『blank13』

(C)2017「blank13」製作委員会

スタッフ

監督:齊藤工
原作:はしもとこうじ
脚本:西条みつとし

キャスト

高橋一生:松田コージ
松岡茉優:西田サオリ
斎藤工:松田ヨシユキ
神野三鈴:松田洋子
リリー・フランキー:松田雅人

あらすじ

音信不通だった父の死――。
13年間の空白は埋まるのか?実話をもとに描く、ある家族の物語。
ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3か月で見つかった。母と兄は見舞いを拒否したが、コウジは子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく……。 特別ではないかもしれない、でも世界にたった一つしかない、家族の物語。ストーリーのもととなっているのは、齊藤監督の短編「バランサー」の脚本も担当した放送作家・はしもとこうじの実体験。真実から生まれた物語は、普遍的な家族の愛と憎しみ、人生の機微をじんわりと、でも確かな強度で浮かび上がらせ、観る者の心に深く迫る。(公式HPより)

シネフィルである齋藤工の初長編監督作品

キャストは豪華だが、玄人好みの脚本とカメラワークは、齋藤監督らしい選択か。日本特有の、火葬までの間に故人の話をするという習慣の空気感を、映像化しようという試みがマニアックにみえるが、「世界から見た日本」を意識した作品としては、王道か。海外の映画祭で高い評価を得ていることが、それを証明している。

心の距離

借金の末、家族を捨てた父親は、家族ではない友人には、良き隣人であり、故人を悼む弔問客が訪れる。しかし、捨てられた家族からみた「故人」と弔問客の中での「故人」は、同じ父親ではあるが、各々にとっては異なる人物に見えている。
高橋一生が、許せない、許したくない気持ちと良き父親であって欲しかったという気持ちの狭間を、静かに表現する演技は、挑戦的である。

70分という時間

新人監督にとって、70分程度の作品の方が、切れ味が鋭い作品が作りやすいのか。同じ年に公開された『嘘を愛する女』が途中で中だるみしてしまったのと対比すると、今作品の程よいサイズ感が落ち着いてみえる。シネコンでの全国配給するには、70分は短い印象ではあるが、今後短編映画から長編へシフトする際のスタンダードとなるか。

作品全体として

スリルでも感動でもない、特殊な空気感を伝えようとする意欲作。斎藤監督の作家性が少し見えたような気がするが、次回作では、映画マニアらしい別の角度の作品の可能性もある。注目の新人監督登場といった作品。

『blank13』公式サイト
http://www.blank13.com/

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