『勝手にふるえてろ』【感想・レビュー】

2017年12月31日日曜日

review 東京国際映画祭

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(C) 2017 映画「勝手にふるえてろ」製作委員会

スタッフ staff

監督・脚本:大九明子
原作:綿矢りさ

出演 Cast

松岡茉優:江藤良香(ヨシカ)
渡辺大知:二
石橋杏奈:月島来留美
北村匠海:イチ
趣里:金髪店員

あらすじ

24歳のOLヨシカは中学の同級生“イチ”へ10年間片思い中!過去のイチとの思い出を召喚したり、趣味である絶滅した動物について夜通し調べたり、博物館からアンモナイトを払い下げてもらったりと、1人忙しい毎日。そんなヨシカの前へ会社の同期で熱烈に愛してくれる“リアル恋愛”の彼氏“ニ”が突如現れた!!「人生初告られた!」とテンションあがるも、いまいちニとの関係に乗り切れないヨシカ。まったくタイプではないニへの態度は冷たい。ある出来事をきっかけに「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこうと思ったんです」と思い立ち、同級生の名を騙り同窓会を計画。ついに再会の日が訪れるのだが…。(公式HPより)

観客を楽しませる

本作品は、第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され「観客賞」を受賞している。この映画祭に筆者も参加していたのだが、チケットやスケジュールの関係で、会場で観ることができなかったことが残念でならない。こんなに素晴らしい作品であれば、できるだけ早く出会って、多くの方へご紹介したかった。

魅力的で不思議なキャラクタ「ヨシカ」

松岡茉優が演じた主人公「ヨシカ」は、中身は普通の女の子である。ただ、その表現が華美であったり、妄想的であったり。そんな特異がキャラクターを、松岡茉優は見事に演じているし、そこに生きている。近年、コメディを演じることができる女優があまり目立たなかった中で、この演技には注目せざるを得ない。

世界観とリズムの素晴らしさ

この作品が傑出して素晴らしい点は、サブキャラクターと主人公との関係をみせるリズムが素晴らしい。このサブキャラクターたちは、すべて主人公の内面を表現する伏線となるのだが、前半はそれを匂わせることなく、物語にリズムを与えている。後半、その伏線を回収する場面では、精緻に組まれたサスペンスを紐解くような爽快感まである。素晴らしい。

作品全体として

平成29年末、上映映されている作品の中では、この作品が抜けて素晴らしい。楽しい。コメディの名作を生み出すことは、とても難しいのだが、これは、それを軽やかにやってのけた。おススメな映画である。

『勝手にふるえてろ』公式サイト
http://furuetero-movie.com/

第30回東京国際映画祭、グランプリは近未来SF『グレイン』! 邦画が3年ぶりに観客賞受賞
http://2017.tiff-jp.net/news/ja/?p=48127

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