『ヘレディタリー 継承』Hereditary【感想・レビュー】

2018年12月1日土曜日

review

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(C)2018 Hereditary Film Productions, LLC

スタッフ staff

監督:アリ・アスター

出演 Cast

トニ・コレット:アニー・グラハム
アレックス・ウルフ:ピーター・グラハム
ミリー・シャピロ:チャーリー・グラハム
アン・ダウド:ジョーン
ガブリエル・バーン:スティーブ・グラハム

あらすじ

グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま……。
やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように……。
そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。
“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか? (公式HPより)

ホラーの系統

90年代後半、日本公開されるホラー作品は、ジャパンホラーと呼ばれる作品に同系統が多く製作されたせいもあるが、『スクリーム』などから流行した、驚かすことで恐怖を与える系統が多かった。この頃、日本では、ホラーブームが起き『リング』の映画化や、角川ホラー文庫が創刊されている。
その後、00年代に入り、『SAW』のようなスプラッシュ系のホラーが流行する。このあたりの流行の系譜は、どちらかというと、遊園地のお化け屋敷のような、人を驚かすことが主眼に置かれたものが多い。
それらの作品に対して、この作品は、直接的に驚かせるシーンもあるが、そこが目的というわけではなく、ストーリーの根底にある、こうなって欲しいという方向に進まない“いやな感じ”で人の心を追い込んでいくことを軸にした作品となっている。

箱庭の意味するところ

トニ・コレットが演じる主人公は、ドールハウスを製作することで収入を得ているが、制作されているドールハウスは、実生活を投影したドールハウスが製作されている。冒頭でなくなった祖母の姿や息子の姿を再現しているのだ。予告編でもわかるが、この物語は、箱庭に入るシーンから入っているように、「作り手」と「作られた家」が存在し、物語の中でも行き来するシーンが存在する。この意味を考えながら作品を観ることで、ラストシーンに到達した時に、あっという気づきに繋がっていくことになる。

日本で受け入れられるのか

この作品の後半に描かれているテーマは、一般にオカルトと言われる要素を含んでいるため、多くの日本人が普段触れることが少ない。タイトルで描かれている「継承」ということの意味にも繋がるのだが、土着的な宗教に影響を受けている日本人にとって、西欧的なオカルトを受け入れらるのかという点では、少し日本人には、なじめない要素となるかもしれない。

作品全体として

サンダンス映画祭で上映後、前評判が高く、第28回ゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワードでトニ・コレットが女優賞を受賞するなど、海外での評価が高いが、こと日本に関しては、近年、同系統の作品があまり上映されなかった、ヒットしなかったことで、楽しみ方を知らないというか、受け入れる土壌が少ないかもしれない。オカルティックな小説や映画が好きな編集としては、とても楽しめる作品だったのだが、万人受けは難しいかもしれない、そんなクセのある作品。

『ヘレディタリー 継承』公式サイト
http://hereditary-movie.jp/

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