『世界の優しき無関心』The Gentle Indifference of the World【感想・レビュー】

2018年10月25日木曜日

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『世界の優しき無関心』The Gentle Indifference of the World【感想・レビュー】

第31回 東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門
第71回 カンヌ映画祭「ある視点」部門

スタッフ

監督:アディルハン・イェルジャノフ Adilkhan Yerzhanov

キャスト

ディナラ・バクティバエヴァ Dinara Baktybaeva:Saltanat
クアンディク・デュセンバエフ Kuandyk Dyussembaev:Kuandyk
クルジャミラ・ベルジャノヴァ Kulzhamilya Belzhanova:Saltanat's mother

あらすじ

美しい自然に囲まれた屋敷に暮らすサルタナットの父親が亡くなる。多額の借金が残され、このままでは家が没落してしまう。都会に住む叔父に肩代わりを頼むべく、サルタナットは自分の身が引き換えとなる覚悟を抱いて家を出る。強靭で心優しい使用人のクアンドゥクはサルタナットに付き添い、旅路をともにする…。(第31回東京国際映画祭公式HPより)

カザフスタンの情景の中に生み出される普遍性

ヒロイン:サルタナットは、家族を守るために自身を犠牲にするのだが、クアンドゥクを除いて、誰も彼女のことを理解し、彼女のことを思って話しかけるものはいない。それが、母親や叔父であっても。家や家族、金銭でもなく、本当に大切なものはなにか。言葉数も多くなく、不器用なクアンドゥクの彼女への言葉の中に、監督の伝えたい想いが込められている。

カザフスタンの今

中国、ロシアに隣接しつつ、紛争が絶えず、国情は安定しないカザフスタン。本作品のヒロインが、周辺からの圧力に翻弄される国の姿が透けてみえるよう。

作品全体として

乾燥した情景がスクリーンを通して、伝わってくる作品。洗練されたシナリオとは言えないが、映像の中に落とし込まれたアイテムが、ヒロインの置かれた境遇が、監督の想いへと繋がっている、そんな作品。会話のリズムも、日本で上映されるエンターテイメント作品と異なるので、そのつもりで観た方が良い。

『世界の優しき無関心』東京国際映画祭作品紹介ページ
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFE03

『世界の優しき無関心』The Gentle Indifference of the World(IMDB)
https://www.imdb.com/title/tt8269378/


特集 第31回 東京国際映画祭 31st Tokyo International Film Festival
https://www.lifewithmovies.com/2018/10/tokyo-international-film-Festival.html

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