Life with movies 『月極オトコトモダチ』Rent a Friend【感想・レビュー】
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『月極オトコトモダチ』Rent a Friend【感想・レビュー】

『月極オトコトモダチ』Rent a Friend【感想・レビュー】

(C)2018 MAYU AKIYAMA / MOOSIC LAB

第31回 東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門

スタッフ

監督:穐山茉由 Mayu Akiyama

キャスト

徳永えり:望月那沙
橋本 淳:柳瀬草太
芦那すみれ:小野珠希
野崎智子:ユリ
山田佳奈:阿部ミチル

あらすじ

大人になると異性の友達ってなかなかできない。男女の間に友情は本当に存在しないの? WEBマガジン編集者の望月那沙は、あるきっかけで「男女関係にならないスイッチ」を持つと語る柳瀬草太に出会う。実は、彼は依頼主に雇われた「レンタル友達」だった。那沙は柳瀬をレンタルし、ある検証を試みようとするが…。一方、那沙のルームメイトである珠希は音楽を通じて柳瀬と距離を縮めていく。(第31回東京国際映画祭公式HPより)

10月30日(火曜)上映後Q&Aより(ネタバレ含みます)

穐山茉由監督(以下、監督)
聞き手:安田佑子

Q(安田):まずは、映画祭で上映された感想はいかがでしょうか。
A(監督):数日前のプレス向け上映で自分も実際に作品を観たが、自分が普段、観客として訪れるスクリーンで上映されると不思議な感じがした。

Q(安田):今回の長編の企画を立ち上げた経過は?
A(監督):MOOSIC LAB(以下、ML)の企画として制作した。企画の条件として、「音楽」を意識する必要があったので、音楽を絡めることを軸に。プロット案製作時にレンタル友達の記事を読んで、人の欲を描けるのではないかと考えた。そこに、男女の恋愛要素を加えることで、化学反応が起きることを期待した。

以下、観客からの質問
:撮影はヨーロピアンビスタか?個性的な名前が多いが、その由来は?終電が終わって帰れないと言っていた主人公は、どうやって帰ったか?
A(監督):今まで、ヨーロピアンビスタでの撮影は経験がなかったが、カメラマンと打ち合わせしている時に提案があり、ピンときて採用した。役名を考えるのは好きで、主人公は宇宙を意図して「NASA」にした。柳瀬は、主人公と友人は、苗字と名前で呼び方が違うが、苗字で呼んでも名前のように聞こえる形にしたかった。主人公は、歩けるところまで歩いて帰ったと話していた。

:会社員をしつつ、映画制作をされていることについて
A(監督):時間と資金は、準備段階、撮影スケジュールともにタイトです。また。今回ML作品で締め切りがあったのですが、締め切りは自分が製作する上では大切。時間があると際限なく脚本を改編してしまう。会社には、前作が田辺・弁慶映画祭でかかった時には説明した。映像業界ではないので、興味を持ってくれているようだ。

:今後も2足の草鞋を続けるのか。
A(監督):今回の作品も社会人経験が生きていると考えているので、会社とバランスを相談しながらになると思う。

Q(安田):レンタル友達を実際に借りたとお聞きしたが。
A(監督):最初は、懐疑的なイメージで、30代の男性を依頼した。驚いたのは、相手がこちらの依頼した人物なので、安心して話すことが出来て、安心感を感じてしまったこと。

:橋本 淳をキャスティングした理由は?
A(監督):選考時に会った際には、とてもいい人だった。ただ、とても素敵でスマートなのに、心の奥で何を考えているのかわからない印象があり、採用した。

:タイトルに興味を惹かれたが、どのタイミングで確定したのか。また、一般公開の予定は。
A(監督):タイトルは、プロット製作時、つまり、最初に決定した。一般公開は、11月開催のMLで5回上映予定だが、その先は決まっていない。

Q(安田):ラストをどのように表現するか、悩みませんでしたか。
A(監督):シナリオの段階で、関係者からいろんな意見が出たが、曖昧さの色気のようなものを残したかったので、この形にした。

物語はシンプルで普遍性のあるテーマ

男女の間に友情は本当に存在しないのか、という身近なテーマをシンプルなストーリーで描いた作品なので、特に監督と同世代中心の女性は共感をもって鑑賞できそう。物語のアクセントになっているのは「レンタル友達」で、これが時代を反映した作品としての要素を加えている。

男女の間に友情は本当に存在しないのか

社会心理学では、疑似的に恋愛行動をした場合、脳が錯覚を起こし、本当の恋愛と錯誤すると定説として講義されている。吊り橋理論のように、友人関係から恋愛関係へ発展するよう利用するものは、恋愛指南本にいくらでも取り上げられてきたが、恋愛関係へ発展しない方法は、現代のトレンドだろうか。

作品全体として

新人監督が限られた予算で製作されたものとして、小気味よい作品。また、今回の東京国際映画祭でも企画されている「女性監督」だが、「女性」だからではなく、同世代の同性の心情を、同性だからこそ描ける、理想と現実のバランス感覚の良い作品。この先、MLのような縛りがないケースでどのような作品を描いていくのか、注目の監督のひとりとなるかもしれない。

『月極オトコトモダチ』東京国際映画祭作品紹介ページ
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31JPS05

MOOSIC LAB 2018 公式ページ
http://moosiclab.com/

特集 第31回 東京国際映画祭 31st Tokyo International Film Festival
https://www.lifewithmovies.com/2018/10/tokyo-international-film-Festival.html

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