『メイド・イン・イタリー』Made in Italy【感想・レビュー】

2018年4月30日月曜日

review イタリア映画祭 映画祭

t f B! P L

スタッフ staff
監督・脚本:ルチャーノ・リガブエ Luciano Ligabue

出演 Cast

ステファノ・アルコッシ Stefano Accorsi:Riko
カシア・スムトゥニアク Kasia Smutniak:Sara
ファウスト・マリア・シャラッパ Fausto Maria Sciarappa:Carnevale

あらすじ

リコは精肉工場で働く中年の労働者。グローバル化の影響で工場を去らざるを得ない同僚が出る中、解雇されることもなく、妻や友人たちとの関係も良好で一見幸せに見えたが、実は心の空虚感を埋められないでいた。心機一転を図ろうと、友人たちとローマへの旅に出るが、ローマでの出来事が思わぬ事態を招く。(イタリア映画祭 2018公式HPより)

イタリア映画祭2018舞台挨拶から

コンサートで来日してから3年ぶりとなるルチャーノ・リガブエ監督は、コンセプトアルバムの映画化の理由を聞かれ、「コンセプトアルバムすら作る予定はなかった。どうしても語らないといけない物語がある時、曲を作り、映画を作る。だた、映画は曲と違って、製作する大変さがある」と語り、また、アルバムと映画の主人公リコの違いを質問されると、「アルバム、映画のリコは共に、自分が歌手にならなかったら、なっていたかもしれないもうひとりの自分。また、自分のルーツ、そして、現代イタリアを投影したような存在」と答えた。
また、「16年前に製作した時と異なる、新しいスタッフ、キャストを迎えて製作した。曲と違い、キャストが演じることで、自分が描こうとしていた人物が成長していく面もある」さらに、主人公リコを通じて描きたかったメッセージはと聞かれ、「彼の現実は目の前にあるが、移り行く人生の中で、今までみえていたもの、愛しているものを見直さないといけない姿」と語った。
ルチャーノ・リガブエ監督作品への出演について、他の作品との違いを質問されたヒロイン役のカシア・スムトゥニアクは、「今までとはまったく違う。自分の言葉をファンや世界へ伝えてきたミュージシャンに対して、役者は代弁者。語るべき自分の言葉を持たない」と話し、また「監督は誰もが知る大スターだったが、現場では、気さくに対応し、居心地のいい現場を作ってくれた。他の作品との決定的な違いは、先にコンセプトアルバムの世界観があること。キャストはサントラを聞いてから、演技に入っているイメージだった」と、リガブエ監督作品の撮影秘話を話した。

コンセプトアルバムがなかったとしても

映画の原作的な位置にコンセプトアルバムがあったとしても、音楽と映画では異なる作品である。本作品は、アルバムを知らずに観たとしても、十分、素晴らしい作品である。むしろ、知らずにみた方が、映画監督リガブエが描こうとした世界が感じられるのではないだろうか。

現代イタリアの姿

グローバル化の波の中で、景気低迷する社会に生きるイタリア人主人公の気概を描いた本作。人生中盤を迎え、迷いつつ、心の弱い面もありつつも、前に向かって「生きる」主人公の強さをタイトルの『メイド・イン・イタリー』が表現している。

作品全体として

映画祭のプログラムとして、『Emma 彼女の見た風景』の後に上映されたせいもあるが、壮年期後半を迎えた主人公を描いた作品が続いた。これは、偶然かもしれないが、イタリア映画として、高齢化を迎えつつある社会において、「現代の自分」を見据えた作品を描くこと、または、表現することに意味があると、漠然と考えられているからなのだろうか、と考えさせらた。しかし、ルチャーノ・リガブエ監督の描く、主人公が「漢」でかっこいい。そんな作品。

『イタリア映画祭 2018』公式サイト
http://www.asahi.com/italia/2018/
『Made in Italy』IMDB
https://www.imdb.com/title/tt6917242/

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